2016-2-18
オチビサン歳時記第29回 〜フキノトウ〜
季節は、二十四節気の雨水。
氷もとけて水もぬるみ、草木の芽が出始める頃です。
豆粒町でも、陽だまりにかわいいあの子が顔を出し始めました。
ほろ苦い春の使者、フキノトウです。
オチビサンたちも、野辺に探しに出てきました。
たくさん見つかるといいですね。
フキノトウには、雄と雌がある!?
まだ寒さの残る早春、土の中からポッと顔を出すフキノトウ。じつはこれ、フキの花のつぼみです。フキは、葉を出す前に花を咲かせる植物。「とう」とは、花をつける茎のことで、フキノトウは、その名のとおり「フキの花茎」なのです。
「あの人は、新人と呼ぶにはとうが立っている」などという表現を聞いたことがありませんか? 「とうが立つ」とは、盛りや年ごろを過ぎること。青菜などの野菜は、子孫を残すために花茎をのばすと、かたくて、もはや食用には適しません。その状態を「とうが立つ」といい、それを人の盛りにかけているのです。
フキノトウも、出初めはやわらかいつぼみですが、放っておくと花茎がのび、花を開きます。そうなるとおいしくありません。ですから、収穫できる時期はほんのわずか。ナゼニたちも、つぼみのうちに見つけようと必死なのですね。
フキは、昔から日本に自生していました。キクの仲間で、雌雄別株。ですから、フキノトウにもオスとメスがあります。花が開くとよくわかりますが、淡い黄色に見えるのがオス、白い花がメスです。オスの花茎は花のあと枯れてしまい、メスの花茎は受粉後にぐんぐんのびて、タンポポのように綿毛をつけます。オチビサンが寄り添っているフキノトウは、花を開きかけていますね。オスかメスか、どちらでしょう。
フキノトウの時季が終わり、春本番になると、フキはどんどん葉を出します。このときにのびてくるのが、私たちが野菜として食べているフキ。長いので茎だと思われていますが、
とよばれる葉と茎をつなぐ部分です。茎はとても短く、地下にあります。天然のフキの旬は春から初夏。大規模に栽培しているのは日本だけという野菜です。