2015-10-22
オチビサン歳時記 第15回 〜カリン〜
秋が旬の、カリンという果物をご存知ですか?
リンゴやミカンのようにポピュラーではありませんが、
とても良い香りのする果実です。
ただ、残念ながら生食には向きません。
オチビサンが、その調理法を教えてくれますよ。
手に入ったら、ぜひまねしてみてください。
咳止めに効く!? そっくりなカリンとマルメロ
秋、カリンの実は鮮やかな黄色に熟し、なんともいえない芳香を放ちます。とても良い香りなので、部屋において芳香剤代わりにする人もいるほどです。食べたらどんなにおいしいだろうと思うのですが、カリンは生食には不向き。果肉はかたく、かじっても食感が悪く、味も渋いのです。
オチビサンのように砂糖煮にするほか、果実酒や蜂蜜漬けなどにして、もっぱら香りを楽しみます。蜂蜜漬けはかんたん。皮つきのまま切り、タネもいっしょにひたひたのはちみつで漬けるだけ。皮はワックスを塗ったように光っていますが、自然のつやなのでご心配なく。ひと月ほどおけば、香り高いシロップができあがります。肌寒い日にお湯でわって飲めば、風邪しらずの秋を過ごせそう。
実際カリンは、のどの炎症をおさえ、咳止めに効くとして、民間療法に用いられてきました。原産地の中国では昔から薬として使っていたそうです。日本では、庭に植えると縁起がよい木ともいわれます。表に樫の木、裏庭にカリンを植え、「金は貸すけど、借りん」にかけているのです。
カリンと混同しやすいのがマルメロです。香りも同じで、生食に適さず、咳に効くところまで同じ。見分けるポイントは皮で、マルメロは表面に綿のような毛が生えています。中央アジア生まれで、名前はポルトガル語。ちなみに、オレンジなどで作るマーマレードは、もともとマルメロが材料で、それが語源になっているそうです。オチビサン、次回はマルメロで元祖マーマレードを作ってみてね。