2015-11-19
オチビサン歳時記 第18回〜りんご〜
オチビサンがもらったおいしそうなりんご。
みんなでわけようとしていますが、数が足りません。
さて、どうするのでしょう。
秋から冬は、りんごのおいしい季節ですね。
生でも加熱してもおいしい果物。
その歴史は、じつはとても長いのです。
りんごは最古の果樹!? 皇居に残るワリンゴは、江戸時代にあったりんご
りんごの原産地は、中央アジアなどの寒冷地。トルコでは8000年前の炭化したりんごが見つかり、スイスでは住居跡から4000年も前のりんごが発掘されるなど、最古の果樹ともいわれています。
日本へは中国を経て伝わりました。時代は平安時代とされていますが、定かではありません。ただ、昔のりんごは「ワリンゴ」という、粒の小さな野生種でした。「林檎」という漢字は、もともとこのワリンゴの名前だったそうです。
皇居の東御苑には、いまもワリンゴが植えられています。味がよくて生産性の高い果物ができると、昔ながらの品種は廃れてしまうのが常。江戸時代にあった品種を植えれば、訪れる人に興味深いのではという天皇陛下のお考えで果樹古品種園が作られ、「加賀林檎」の異名をもつ「加賀藩在来」などのワリンゴが植えられているのです。
現在私たちが食べているのは「セイヨウリンゴ」。江戸後期から明治にかけて導入され、東北や北海道、長野県など、栽培に適した地域で作られるようになりました。品種改良もさかんに行われ、いまでは日本だけでも約2000種もあるそうです。
りんごは、品種や栽培地によって少しずつ旬がずれるのも魅力です。例えば長野県では、つがるが9月、紅玉は10月から、11月にはサンふじが旬を迎えます。人気の高いふじですが、「サン」がつくのは、袋をかけずに太陽の光をたっぷりあびさせて作ったもの。色つきをよくするために直前までかける袋を使わず、おいしさを重視したのです。一日一個で「医者いらず」ともいわれるりんご。オチビサンたちもたくさん食べて、元気に冬を乗り切ることでしょう。