2016-1-7
オチビサン歳時記 第23回 〜初夢〜
みなさんはどんな初夢を見ましたか?
元日から2日に見る夢といわれている初夢。
なかには、元日の明け方に見る夢だとする人もいれば、
2日から3日にかけて見るのが初夢だという人もいます。
そしてオチビサンの説は……!?
なにはともあれ、よい1年になりますように!
「一富士二鷹三茄子」には続きがあった!?
初夢で吉凶を占う習慣は、鎌倉時代にはすでにありました。歌人の西行が、こんな歌を残しています。
年くれぬ春は来べしとは思ひ寝にまさしく見えてかなふ初夢
年も暮れ、春はきっと来ると思って寝たら、それが本当に見えて、初夢がかないました。
現代のように科学が発達する前、人々は、夢に見ることは神仏のお告げだと本気で信じていました。法隆寺に夢殿とよばれる建物がありますが、この名も夢と関係があります。この地はかつて聖徳太子の一族が暮らす斑鳩宮で、そこにも同じ名の建物がありました。太子はその中にこもって夢占いをしたと考えられているのです。
戦国武将の北条早雲が見た夢も有名です。一説には初夢ともいわれていますが、1匹のネズミが2本の杉の大木をかじって倒し、トラになったという夢です。ねずみ年だった早雲は大喜び。宿敵だった2つの上杉家を倒せると信じたからです。
年の初めに、なんとかして吉夢を見たい! そんな人々のために、江戸時代には「宝船売り」が新年の町を流しました。2日の正午過ぎから夜にかけて見られたというので、江戸の初夢は2日の夜に見るものだったのですね。「お宝~お宝~ えー宝船~」と売っていたのは、宝船やそれに乗る七福神の絵。人々はそれを買い、枕の下に敷いて眠ったのです。
さて、初夢に見ると縁起がよいとされているのが「一富士二鷹三茄子」ですね。天下をとった徳川家康の好きなものを並べたとか、徳川ゆかりの駿河国で高いものを並べたなど諸説ありますが、これには、「
」と続きがあります。末広がりの扇、煙が天にのぼるタバコ、そして、毛のない座頭で「けがのない一年」という意味だそうです。