2016-5-12
オチビサン歳時記第39回 〜グリーンピース〜
子どもに嫌われる野菜の中でも上位にあがるグリーンピース。
大人でも、炒飯や焼売などから、よけて食べる人がいますよね。
でも、旬のグリーンピースの味は、缶詰や冷凍食品とは、まるで別物。
オチビサンとパンくいも、夢中でさやをむいていますよ。
でも、食べたい物は違うみたいです。
まだ若いグリーンピース。完熟すると、アレになる?
エンドウの仲間には、さやごと食べるサヤエンドウやスナップエンドウなどがありますが、豆だけを食べるグリーンピースも、その仲間です。ふつうは秋にタネをまき、苗のまま冬越しをさせて、春の終わりから初夏にかけて収穫します。とれたての新鮮なものは、この時季だけのごちそう。旬のグリーンピースは、甘くて風味がよく、格別な味です。買うときは、さやつきがおすすめ。オチビサンたちのように、食べる直前にさやから出せば、豆が乾きません。
ナゼニの解説どおり、グリーンピースは未熟な豆で、花が咲いてからひと月ほどの時期に収穫します。そのまま育て続けると、やがて完熟し、緑の濃い青エンドウになります。ゆでてつぶして、砂糖などを混ぜて練りあげれば、うぐいす餡ができますし、丸のまま煮豆や甘納豆などにも加工されています。ちなみに、夏に旬を迎えるエダマメも、未熟な豆で、完熟すると大豆になります。呼び名が違うと、別物だと思ってしまいますね。ついでながら、英語でエンドウは「pea」。インゲンや大豆などの「bean」とは、区別します。グリーンピースを「緑の平和」だと勘違いしている人もいるかもしれません。
ところで、野菜売り場で、「豆苗」という名の、大きめのスプラウトを見たことはありませんか。あれは、エンドウの新芽。本来は、エンドウの茎葉の若い先端を摘んだものですが、短い期間しかとれず、しかも若芽を切ってしまうとその先が成長しないため、貴重な食材です。今では手軽に買えるスプラウトが登場したというわけです。
エンドウの仲間は、メソポタミア地方が原産とされ、古代エジプトのツタンカーメン王のお墓からも、副葬品として出土しました。ウソかホントか、この豆の子孫とされる豆のタネが市販されており、豆は緑ですが、さやは紫色をしています。取り出した緑の豆で豆ごはんを作ると、お赤飯のように、ほんのり赤いごはんが炊き上がります。機会があれば育ててみてください。