2015-9-17
オチビサン歳時記 第11回 〜十五夜〜
秋は空気が乾き、
月が美しく見える季節です。
オチビサンがアカメちゃんに出会ったのも、
そんな秋の晩でした。
迷子のウサギは、いったいどこから来たのでしょう?
お月さまだけが知っているのでしょうね。
アカメちゃんは伝説のウサギ!?
昔の人は、いまよりずっと夜空の月を見上げていました。旧暦とよばれる太陰太陽暦では、月の満ち欠けでひと月を決めていたので、月の形を見れば、おおよその日にちがわかったからです。月の始まりは、真っ暗闇の新月の日。「ついたち」は「月立ち」から来た言葉です。三日月は、新月から3日目の月。半月を経て満月をすぎると、月はふたたび欠け始め、やがて新月にもどると、次の月が始まるのでした。
これを知っておくと、行事や歴史の見方が変わってきます。七夕は旧暦7月7日なので、月の形はだいたい半月。月の明るさで天の川が見えない心配はありません。忠臣蔵の討ち入りは旧暦12月14日。満月近い夜を選んで吉良邸に押し入ったのは、月明かりを頼りにしたのでしょう。
十五夜は新月から15日目の満月。なかでもことさら美しいのが中秋の名月です。中秋は秋の中日で、旧暦8月15日のこと。いまの暦にすると、今年は9月27日です。お団子や魔よけのススキ、収穫期を迎える里芋を供えるなど、地域によってさまざまな風習があります。
月といえばウサギ。それにはこんな伝説があります。昔、天竺にキツネとサルとウサギがいました。ある日3匹は空腹で動けない老人に出会い、食べ物を探しました。サルは木の実、キツネは魚、でもウサギは何一つさしだすことができません。ウサギは、サルとキツネに火をおこすよう頼むと、「私を食べてください」と、火の中にとびこみました。老人は帝釈天の姿になり、ウサギを月にのぼらせたのです。
アカメちゃんは、どうやらそのウサギではないみたい。どこから来たのか、なぜ月を見て泣くのか、その謎は『オチビサン』7巻を読めば解けますよ。
※次回の「オチビサン歳時記」の更新は10月1日(木)です。